一歩(いっぽ)ずつの歩み

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ワンテーマ

年度という概念はどのような目的でいつから始まったのか?

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今回はワンテーマで「年度」というもの
について書いてみようと思います。

あなたは、例えば平成29年度と平成29年
の違いって上手く説明できますか?

何となくはわかっているのでしょうが、
説明しろと言われると中々難しいところ
あるのではないでしょうか?

そういうわけで、今回はその事について
これから書いていくので読んで下さい。

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ご存じの通り、暦における一年の始まりは
1月なのですが、日本の社会生活にはこれ
とは別に4月始まって翌年の3月まで続く
1年の周期があります。

これが会計年度です。単に「年度」と
言っても通じるほど私たちの生活の中に
浸透しています。

では、このように生活に深く浸透している
会計年度は、どのようにして生まれ、どう
して4月からとなったのかという謎を
探ってゆきましょう。

会計年度ってなんだろう?

そもそも会計年度とは何でしょうか?

「会計年度」を辞書で調べると、

「予算を執行するための一定の期間。
日本の官公庁では4月1日に始まり
3月31日に終わる。」

というようなことが書かれています。

予算の執行...ということは役所に
限った話しではありませんけれど、4月
から始まる一年間を会計年度としたのは、
「お役所」からと言って間違いないの
ではないでしょうか。

官公庁の会計年度が4月1日から始まる
1年間ということは、しっかりその裏付け
となる法律(=財政法や地方自治法)に
よって定められているのです。

それ故に年度末にあたる3月頃になると、
その年度の予算の帳尻を合わせにお役所は
躍起になるのです。

そして役所がらみの道路工事が3月頃に
なると増えるというわけです。

なお、本記事中において「会計年度」という
言葉は「日本の官公庁が使う4月から始まる
1年の区切り」という意味で使っています。
この点承知おき下さい。

会計年度はいつから始まった?

それでは会計年度というものはいつ始まった
のでしょうか?

暦年と異なる会計年度というシステムは
昔からあったのでしょうか?

たとえば、江戸時代は...残念ながら
というか、当然というか江戸の昔にはこの
様な「二種類の一年」などはなかったです。

将軍様の台所も、お大名方の台所も、下々の
ものの台所もお金のやりくりは暦と同じく
正月(一月)に始まり師走(十二月)に
終わるというものでした。

現在のような4月に始まる政府機関の会計
年度は明治19年(西暦1886)から始まった
ものです。ざっと130年ほどの歴史と
いうことになりますね。
(都道府県、市町村は少し遅れて明治23年と
明治22年から始まりました。)

会計年度が導入された理由

この会計年度、今は当たり前のこととして
受け入れてしまっているわけですが、
どうして暦の一年と同じく1月に始まって
12月に終わるものではないのか不思議では
ないですか。

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どうしてわざわざ二種類の一年を作る必要が
あったのでしょうか。

1.税金徴収上の都合

暦年と異なる会計年度が必要な理由として
挙げられるものに、税金徴収の時期の問題
があります。

かつての日本は、主たる産業が農業
(主力は稲作)でしたから、政府が税金
として徴収するの主な財源も当然この農業に
対して課税したもの(地租)でした。

稲作の場合、その収穫時期はもっぱら秋です。
税(地租)は物納ではなくお金で徴収
しましたから、秋に収穫した米が現金化
されてから徴収というのが一番無理のない
形ですよね。

とすると、税金の徴収が一段落して、収入が
ハッキリした段階で、次の「一年」の予算を
定めて実行に移すタイミングとしては、
4月頃が都合がよいというわけです。

2.外国との関係

会計年度が暦年と一致しない国はいくつか
有りますが、その中で当時の日本との関係
から重要な国としてはイギリスとアメリカ
が双璧です。

会計年度の初めはイギリスは4月、アメリカ
は10月です。

日本は、当時世界一の経済力を誇ったイギリス
の会計年度に倣って4月としたのだと言われて
います。

3.もう一つの理由

上記1,2の理由からなら、最初から4月が
会計年度の初めとなっていそうなものですが、
実は明治のはじめの頃は、会計年度の開始
時期は何度も変更されているのです。

なぜそんなことをしていたのかと言えば、多分
「政府にお金がないから、暦通りの会計年度
ではやりくりがつかなかった」のだと思われます。

すなわち、「お金が出来るまで支払い(決算)
を待ってね」というわけです。

この辺の事情は、給料を払うお金がないから
暦を替えてしまったという明治改暦の裏事情と
似たり寄ったりでしょう。大変だったのです。

まあ、「無いものはない」と言いたいところ
でしょうが、そうはいっても体面というものが
有りますので、いきなり本音は言えない。

ということで、1,2のようなまともそうな
理由をつけて実行したという説もあり得ます。

まとめ

イギリスで18世紀半に行われたグレゴリウス暦
への改暦の結果生まれた4月からの会計年度は、
19世紀後半のお金に困っていた日本の明治
政府へ伝わりこれが採用され、それから130年
も経過しました。

今でも日本のお役所はこの会計年度という
4月から始まる1年のサイクルで活動して
いるのです。

いかがでしたか?年度というものの発生理由や
その目的などは理解できましたか?

意外に知らない事実があったのではない
でしょうか。

今回の記事があなたのお役に立てたのなら
大変嬉しく思います。

ちょうど明日から新年度が始まります。

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