今回と次回の2回に分けておせち料理の定番の
レシピを紹介したいと思います。
最近では、おせち料理は自分ではあまり作らずに
出来合いのものを買ってきて食べる方も多くなって
きているようです。
それでも、たくさんの種類全部を作ろうとはしなくても
何種類かは自分で作る方も多いようですので、ここでは
中でも定番のおせち何品目かをご紹介します。
ぜひ参考にされて、オリジナルな一品を作ってみて
下さいね。
おせちの定番、黒豆を作ろう
暑かった夏を記憶に残しながら、あっという間に
秋も終わりに近づいて、まもなく冬がやってきます。
季節は巡ります。
クリスマスが過ぎ、仕事納めを済ませたら新年を
迎える準備の始まりです。いそいそとおせち料理の
黒豆から作り始めましょうか。
暮れの乾物屋さんには新豆が並んでいるでしょうか。
豆は「まめに暮らす」に通づるとか、当たり前
のように毎年作りたいものです。
【材料】黒豆250g 水5カップ
(A)砂糖150g 醤油大さじ1 塩小さじ1/4 重曹小さじ1/2
【作り方】
1)鍋に分量の水とAの材料を合わせて一煮立ちさせ、
砂糖をよく溶かします。火を止めて冷ます。
2)黒豆を洗いながら、水に浮く豆や破れた豆を取り除く。
ザルに上げて水気をよく切る。
3)1に黒豆を入れて一晩おく。
4)3を火にかけ、煮立ったらアクをすくい取り、
蓋をして弱火で20分煮る。落とし蓋に替えてさらに
30分煮る。豆が柔らかくなったら火を止め、そのまま
煮汁の中で 冷まして味を含ませる。
*新豆の場合は豆が早く柔らかくなり、煮汁があまり
煮詰められないので、柔らかくなった豆と煮汁に分け、
煮汁だけを小鍋で煮詰め、再び豆と合わせて味を含ませる。
黒々と日焼けするほど「まめ」に働けるよう健康で
いられますようにという願いが込められている黒豆。
黒豆には欠かせない赤く染められた「チョロギ」を添えて
盛り付けましょう。
漢字で「長老喜」「千代呂木」と書き、縁起の良い食
べ物なのです。
おせち料理の箸休め「なます」にプラスα
紅と白でおめでたいなますは、生の魚介と大根、人参、
酢で作られていたことから「なます」と呼ばれていました。
今は生のお魚はお刺身やスモークサーモンでいただくので、
代わりに干し柿や柚子、昆布を入れるなますがポピュラー
なようです。
今回は大根と人参にきゅうりときくらげを入れて爽やかに
仕立てました。
野菜は塩水につけて、脱水するとともに、なます酢と
なじむように塩味をつけます。
【材料】大根・・300g/きゅうり・・1本/人参・・60g/
きくらげ・・30g《なます酢》水・・1カップ/酢・・130ml/
みりん・・大さじ4/塩・・小さじ1/昆布・・5cm角1枚/塩・・少々
*野菜はレンコン・しめじなどの他果物ではみかん・柿・
りんごなどを加えても良いです。
【作り方】
1)大根、きゅうり、人参は5cmの長さの千切りにする。
1.5%の塩水(水1Lに塩約大さじ1)に大根、人参を15分浸し、
きゅうりを加えてさらに15分浸す。きくらげは水に戻して、
茹でて細かく切る。
2)なます酢の材料を鍋に入れ一煮立ちさせ、昆布は
取り出しておく。
3)大根、人参、きゅうりの水気をしっかり絞り2.)に
15分以上浸す。きくらげも混ぜ、時々混ぜる。
おせちには新しい年を迎える「感謝」「喜び」「祝い」
「祈り」などの心が込められています。
品数を多く作る年もシンプルにする年も祝い肴の三品
「田作り」「なます」「かずのこ」と黒豆だけは用意したい
ものです。
おせち料理の甘甘担当!「だて巻き」
長崎から伝わった洒落たお料理「だて巻き」とは、
江戸時代、長崎から伝わった「カステラ蒲鉾」が
伊達者(シャレ者)達の着物に似ていたので「伊達巻」
と呼ばれるようになりました。
昔は大事な文書や絵は巻物にしていたので、おせち料理
には巻いた料理が多くあります。
市販のはんぺんを使ってオーブントースターで焼くだけの
簡単、でも美味しい「だて巻き」を紹介いたします。
【材料】卵2個 はんぺん1枚(小)50~60g
《A》砂糖大さじ1みりん大さじ2 塩ひとつまみ
【作り方】
1)オーブン用の紙を30×30に切り、周囲4辺を2cm幅で
2回ずつ折り返し、裏返して紙の端を立てて四隅を
ホチキスでとめ、浅い箱をつくる。
(周囲は紙を外側へ折り返しているので、卵液が
紙の間に入らない)
2)フードプロセッサーに卵を割り入れ、ちぎったはんぺん、
《A》を加え、なめらかになるまで回す。
3)オーブントースターの天板に1の箱を置いて2の卵液を流し、
10~15分間、良い焼き色がつくまで焼く。
4)3が熱いうちに、表面を下にして巻きすにのせ箱から出す。
手前から巻き、巻き終わりが下になるようにし、
そのまま冷ます。
5)完全に冷めたら巻きすを外してラップで包み、
冷蔵庫に入れる。 食べるときに1cm幅に切り分け、器に盛る。
焼き上がりの切り口にはんぺんの白いかけらが目立たないよう、
完全になめらかになるまで回して下さいね。
すり鉢とすりこぎでもOKですよ。
おせち料理になくてはならない「数の子」塩抜き
子孫繁栄の意味を持つ数の子はニシンの子。
二親(ニシン)から多くの子が出るのでおめでたいと
言われています。なるほど、昔の人はよく考えましたね。
確かにおせちといえば、「数の子」、「数の子」といえば
おせちというくらい私たちの頭の中には定着しています。
「数の子」をおいしく仕上げるには塩抜きです。
お店で売っている「数の子」は塩蔵されています。
十分に塩を抜いてから出汁を含ませます。
塩抜きのために真水につけると「数の子」の表面が
水っぽくなり、また均一に塩が抜けず、痛みやすいので
注意です。
【材料】塩数の子200g 米のとぎ汁 《つけ地》だし3カップ
薄口醤油・みりん・酒各大さじ2と2/3 削り節5g
【作り方】
1)「数の子」を米のとぎ汁に一晩つける(6~8時間)
2)鍋に《つけ地》の材料を合わせて一煮立ちさせ、冷ます。
3)「数の子」の薄皮をむいて流水にさらし、水気を
切ってボウルに入れる。2のつけ地をひたひたになるまで
注ぎ、紙タオルをのせて10分間漬ける。
こうすることによって数の子の臭みを抜く。
4)「数の子」を取り出し別の容器に移し(つけ汁は捨てる)
残りのつけ地を注いで削り節をお茶用の不織布パックに
入れて「数の子」の上にのせ、そのまま半日以上味を
含ませる。
【だし】水1Lにだし昆布5gを鍋に入れ、水から中火にかける。
80度になったらかつを節15gを加えて火を止める。
1分おく。ガーゼなどで濾す。出汁の王道です。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回のおせちレシピは。
お説料理の中でも定番中の定番というものを選んで今回
上げてみました。
次回も定番の何品かをご紹介しますので、ぜひお楽しみに
お待ちください。